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「古楽 21世紀シリーズ 」と寺神戸亮氏を中心とした室内楽活動

 ヨーロッパと日本の両方でご活躍のヴァイオリニスト寺神戸亮さんと、奥様のガンバ奏者上村かおりさんとは、デン・ハーグにいたときからお世話になっていました。その後もバッハ・コレギウム・ジャパンでご一緒したり、寺神戸さんが主宰される「北とぴあ国際音楽祭」で吹かせてもらったり、また「福岡古楽音楽祭」でもしばしば共演させてもらいました。しかし、お二人を交えた室内楽をしばしば開くようになったのは2011年、近江楽堂の第6回「フルートの肖像」シリーズでテレマンの「テレマン/パリ四重奏全曲演奏会」が最初です。この曲はその後ヨーロッパでCDレコーディングをしたので、CD発売記念の演奏会も各地で行いました。
 寺神戸さんと上村さんはブリュッセルにお住まいなので、共演できる期間は限られていますが、その後現在までテレマンやフランス・バロックを中心にした室内楽活動を続けています。2015年に、私が非常勤講師を務める上野学園の石橋メモリアルホールで始めた「古楽21世紀シリーズ(メモリアル・シリーズ)」では、チェンバロの曽根麻矢子さんにも参加していただき、メンバーも拡大してさらに大編成の室内楽を演奏しています。

 これまでに行った演奏会を拾い出すと下記のようになります。

 

■前田りり子リサイタル フルートの肖像 vol.6 「テレマン/パリ四重奏全曲演奏会」

 2011年7月23日 昼夜2回公演 東京オペラシティ 近江楽堂

 共演:寺神戸亮(ヴァイオリン)、上村かおり(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、上尾直毅(チェンバロ)

 

■テレマン/パリ四重奏「ロココの愉悦」

 2013年7月13日 あいれふホール(福岡市)

 2013年7月14日 日本キリスト教団福山延広教会(福山市)

 共演:寺神戸亮(ヴァイオリン)、上村かおり(ガンバ)、上尾直毅(チェンバロ)

  テレマン:パリ四重奏曲 第1番 ニ長調/無伴奏フルートのためのファンタジア 第3番 ロ短調  第6番 ニ短調

   ハンブルク四重奏曲 協奏曲第1番 ト長調/無伴奏ヴァイオリンのためのファンタジア 第7番 変ホ長調

   チェンバロのためのファンタジア/パリ四重奏曲 第6番 ホ短調

左、フルートの肖像 vol.6 「テレマン/パリ四重奏全曲演奏会」のチラシ

右、福岡あいれふホールでの演奏。左から上村、上尾、前田、寺神戸

■前田りり子リサイタル フルートの肖像 vol.8 テレマン:ハンブルグ四重奏全曲演奏会

 2013年7月20日 昼夜2回公演 東京オペラシティ 近江楽堂

 共演:寺神戸亮(ヴァイオリン)、上村かおり(ガンバ)、上尾直毅(チェンバロ)

 

■上野学園・古楽21世紀シリーズ クープランでめでる「諸国の人々」

 2015年10月3日 上野学園 石橋メモリアルホール

 共演:寺神戸亮・戸田薫(ヴァイオリン)、菅きよみ(フルート)、上村かおり・櫻井茂(ガンバ)、曽根麻矢子(チェンバロ)

  F.クープラン:諸国の人々より「フランス人」「スペイン人」/4声のソナタ「スペイン」

  王宮のコンセール 第8番「劇場風」

 

■CD発売記念記念ツアー テレマン/パリ四重奏曲演奏会

 2016年7月13日 近江楽堂(東京オペラシティ3F) 東京公演

 2016年7月14日 松本市音楽文化会館小ホール 松本公演

 2016年7月16日 神戸市聖愛教会 神戸公演

 共演 寺神戸亮(ヴァイオリン)、上村かおり(ガンバ)、チョー・ソンヨン(チェンバロ)

 

■上野学園・古楽 21世紀シリーズ II テレマン in パリ 大人気作曲家が旅先で見たもの

 2016年10月2日 上野学園 石橋メモリアルホール(東京都)

 2016年10月8日 あいれふホール(福岡市)

 共演:寺神戸亮、小池ユキ、出口美折(ヴァイオリン)、上村かおり(ヴィオラ・ダ・ガンバ)

  佐藤駿太(ヴィオラ)、櫻井茂(コントラバス)、曽根麻矢子(チェンバロ)

  テレマン:パリ四重奏曲第1番/ブラヴェ:フルート協奏曲イ短調/ルクレール:ヴァイオリン協奏曲イ短調

  フォルクレ:鐘・フォルクレ・ルクレール・クープラン/F.クープラン:リュリ賛

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左、上野学園・古楽 21世紀シリーズ II テレマン in パリ」のチラシ(クリックすると表裏が拡大)

右、福岡あいれふホールでの演奏。左から上村、曽根、前田、小池、寺神戸。ブラヴェ:フルート協奏曲

■新・福岡古楽音楽祭プレイベント アクロス福岡ランチタイムコンサート テレマン/パリ四重奏曲

 2016年10月4日(火) アクロス福岡シンフォニーホール

 共演 寺神戸亮(ヴァイオリン)、上村かおり(ガンバ)、チョー・ソンヨン(チェンバロ)

 

■上野学園・古楽 21世紀シリーズ III マラン・マレ その秘められた才能 ~ヴィオールからオペラまで~

 2017年11月18日 上野学園 石橋メモリアルホール

 共演:寺神戸亮・若松夏美(ヴァイオリン)、菅きよみ(フルート)、上村かおり・福沢宏(ガンバ)、曽根麻矢子(チェンバロ)

  オペラ「アルシオーヌ」より/マレジェンヌのソナタ/トリオによる組曲第1番・第3番

  ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のための組曲 ホ短調

 

■王に捧げる音楽〜バロックの2大巨匠F.クープランとJ.S.バッハ

 2018年2月8日 唐津リフレホール 唐津公演

 2018年2月9日 長崎バプテスト教会 長崎公演

 2018年2月10日 あいれふホール 福岡公演

 2018年2月11日 宮崎公演

 共演:寺神戸亮(ヴァイオリン)、上村かおり(ガンバ)、曽根麻矢子(チェンバロ)

  F.クープラン:王宮のコンセール 第3番/J.S.バッハ;音楽の捧げ物(全曲)

 

■J.S.バッハ〜その音楽と歓び
 2019年2月10日 東京文化会館小ホール

 2019年2月11日 福岡市あいれふホール
出演 Sop.アンヌリース・ファン・グランベーレン

   Vl.寺神戸亮・若松夏美・竹嶋裕子・廣末真也 Va.秋葉美佳Vc.山本徹 Cb.西澤誠治

   Fl.前田りり子 Ob.三宮正満 Cemb,上尾直毅

主な出演者のプロフィール

 

寺神戸 亮  (バロック・ヴァイオリン)

桐朋学園大学卒業。1983年日本音楽コンクール ヴァイオリン部門 第3位。その後、デン・ハーグ王立音楽院にてシギスヴァルト・クイケンの下で研鑽を積む。ラ・プティット・バンドをはじめとしたヨーロッパを代表する古楽器アンサンブルやオーケストラのコンサートマスターを務めリーダーとして優れた資質を発揮。またソリストとして数多くのオーケストラと協奏曲を共演。初期バロックから後期ロマン派、印象派に至るまで、ソロ・室内楽で幅広い活動を行っている。ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラを用いた演奏活動も精力的に行い、J.S.バッハ《無伴奏チェロ組曲 全曲》録音ではレコード・アカデミー賞(器楽曲部門)を受賞。「第1回北とぴあ国際音楽祭’95」において、パーセルの《ダイドーとエネアス》で指揮者デビュー。以後ラモーやモーツァルトなどのオペラ作品を中心に公演。日本で最もバロック・オペラに精通した貴重な存在である。デン・ハーグ王立音楽院教授、桐朋学園音楽大学特任教授。ベルギー ブリュッセル在住。

 

上村 かおり  (ヴィオラ・ダ・ガンバ)

上野学園、ブリュッセル王立音楽院を首席で卒業。ヴィオラ・ダ・ガンバを大橋俊成、ヴィーラント・クイケンの各氏に師事。これまでベルギー、フランスを拠点に、リチェルカール・コンソート、ル・ポエム・アルモニク、レザール・フロリッサン、レ・タラン・リリック、またオランダのバッハ協会、ドイツのカントウス・ケルンなどと共演。アムステルダムのコンセルトヘボウオーケストからは、毎年バッハの受難曲のソリストとして招聘されている。録音も数多く、ヨーロッパの第一線で活躍している。近年では、第一トレブル奏者としてヨーロッパ各地、アメリカからも招聘されるなど活動の幅を広げている。ヴィーラント・クイケン、クリストフ・ルセをはじめ、様々な音楽家から共演を望まれる奏者として高い評価を得ている。東京での活動では、自身が率いるロイヤルコンソートのイギリス音楽を中心とした演奏会にも定評がある。ブリュッセル在住。

 

上尾直毅(チェンバロ)

 東京藝術大学卒業。ピアノを辛島輝治氏、チェンバロを山田貢、鈴木雅明、渡邊順生の各氏に師事する。第6回山梨古楽コンクールで「通奏低音賞」を受賞する。アムステルダム・スウェーリンク音楽院卒業。チェンバロをG・レオンハルト、A・アウテンボッシュの両氏に師事。続いてデン・ハーグ王立音楽院卒業。フォルテピアノをS・ホーホランド氏に師事。オランダ室内管弦楽団のチェンバロ奏者を務める。帰国後はチェンバロ、フォルテピアノ、クラヴィコード、そしてミュゼット奏者としてソロ、アンサンブルを問わず、CDの録音や数々のコンサートに出演している。2010年4月にリリースされたフォルテピアノによるCD「ベートーヴェン:61鍵の時代」は「レコード芸術」誌で特選盤、及び優秀録音と評価された。桐朋学園音楽大学非常勤講師。

 

曽根麻矢子(チェンバロ)

桐朋学園大学附属高校ピアノ科卒業。1986年ブルージュ国際チェンバロ・コンクールに入賞。その後渡欧を重ね、同コンクールの審査員であった故スコット・ロスに指導を受ける。ロスの夭逝後、彼の衣鉢を継ぐ奏者としてエラート・レーベルのプロデューサーに認められ、1991年に同レーベル初の日本人アーティストとしてCDデビューを果たした。 以後イスラエル室内オーケストラのツアーや録音に専属チェンバリストとして参加するほか、フランスおよびイタリア等のフェスティバル参加、現代舞踊家とのコラボレーションなど国際的に活躍。日本国内でもリサイタル、室内楽と積極的な音楽活動を展開するとともにテレビ、ラジオへの出演、雑誌「DIME」でのエッセイ連載、「いきなりパリジェンヌ」の刊行など多才ぶりを見せている。録音活動も活発に行い、エイベックス・クラシックスよりCDを多数リリースしている。また、2003年からの全12回、6年にわたるJ.S.バッハ連続演奏会(浜離宮朝日ホール)に続き、2010年から2014年まで全12回のF.クープランとラモーのチェンバロ作品全曲演奏会(上野学園エオリアンホール)を行い、いずれも好評を博した。1996年「第6回出光音楽賞」をチェンバロ奏者として初めて受賞。1997年飛騨古川音楽大賞奨励賞を受賞。

 

チョー・ソンヨン  (チェンバロ)

韓国 ソウルで音楽の勉強を始め、ソウル芸術高等学校とヨンセイ大学に学び、カク・トンソン教授にオルガンを師事。その後、デン・ハーグ王立音楽院でジャック・オッホにチェンバロを師事し、栄誉賞付き最高得点で卒業した。卒業試験での演奏は、その年の全学最高の演奏の一つに選ばれた。在学中からヨーロッパ各地でソリスト、通奏低音奏者として活躍。卒業直後よりソリストとしての活動を開始し、バッハのゴールドベルク変奏曲でスペイン・ツアーを行った他、ベルギー、オランダなどでも演奏。今後は韓国、日本、オーストラリア、ボリビアなどでの演奏が予定されている。フランスをはじめスペイン、韓国、日本などの音楽祭にも招待され、最近では紀尾井ホールでブランデンブルク協奏曲などを演奏。室内楽や協奏曲などで寺神戸亮と頻繁に共演を重ねている。韓国でマスタークラスやレクチャーを行う他、デン・ハーグ王立音楽院ではジャック・オッホの助手を務めている。

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