Liliko Maeda
前田りり子
Liliko Maeda
フラウト・トラヴェルソ奏者
桐朋学園大学古楽科を経てデン・ハーグ王立音楽院の大学院を修了。山梨古楽コンクールにて第1位入賞。ブルージュ国際古楽コンクールにて2位入賞。現在バッハ・コレギウム・ジャパン、ソフィオ・アルモニコなどのメンバーとして活発な演奏活動を行っている。「フルートの肖像」を東京書籍より出版。小出信也、有田正広、バルトルド・クイケン各氏に師事。東京藝術大学、沖縄県立芸術大学非常勤講師。
詳細プロフィール
9才よりモダンフルートを始める。前田明子、小出信也氏に師事。高校2年の時に、全日本学生音楽コンクール西日本大会フルート部門において第1位入賞。その後バロックフルートに転向し、桐朋学園大学音楽学部古楽器科に進学。有田正広氏に師事。オランダのデン・ハーグ王立音楽院に留学し2000年に同大学院を卒業する。ウィルバート・ハーツェルツェット、バルトルド・クイケン両氏に師事。1996年、山梨古楽コンクールにて第1位入賞。1999年、ブルージュ国際古楽コンクールで第2位入賞(フルートでは最高位)。現在は中世、ルネッサンス・フルートからロマンティック・フルートまでを駆使して、国内外で幅広いソロ・室内楽のコンサートを行うほか、「ソフィオ・アルモニコ」「リベラ・クラシカ」「メネストレッロ」など、多数の古楽グループで活発な演奏活動を行っている。特に「バッハ・コレギウム・ジャパン」ではJ.S.バッハの管弦楽組曲第2番や受難曲、カンタータ等多数の録音、海外公演を行っている。ソロ・アルバムとしては「J.S.バッハと同時代の作曲家によるフルート音楽」「パリのフルート音楽~華麗なるロココの饗宴~」「J.M.オトテールフルート組曲集」などをリリースし好評を博している。2016年には世界でもまだ珍しいルネサンス・フルート・コンソートのアルバム「魅惑のルネサンス・フルート」を、2018年にはティールマン・スザート:ダンスリー ルネサンス舞曲集(全曲)」をリリース。また室内楽では「テレマン パリ四重奏曲」 全曲録音をリリースし、高い評価を受けている。単行本「フルートの肖像」を東京書籍より出版し、トークコンサート、講演、執筆等も積極的に行っている。東京藝術大学、沖縄芸術短期大学非常勤講師。
生い立ち
小学校まで
・1972年に福岡市に生まれました。母が習っていたフルーティストの林りり子先生が亡くなられる寸前に、「りり子」という名前をいただいたのだそうです。
・3歳のころからピアノを習い始めましたが、ひどく上達の遅い子だったようです。
・小学校4年の時から、母についてモダンフルートをはじめました。
・小学校5年の時、約1年間家族でカナダのトロント市に住みました。でも、英語はチンプンカンプン。
・トロント大学のコンセルバトワールで、初めて母以外の先生にフルートを習いました。その先生からもらった曲が、なんとバッハのソナタ!ひぃひぃ言いながら練習していったら、大いに誉められ、有頂天になって、プロのフルーティストになる決心を固めました。
中学時代
・読書が大好きで、学校や市の図書館の本を片っ端から読んでいました。
・2年生の時、全日本管打楽器フェスティバル福岡大会で金賞を獲得。
・3年生の時、福岡市の中学生の弁論大会で堂々優勝!市長賞をいただきました。
・福岡ジュニアオケに入って、中国まで演奏旅行に行きました。
・神戸のフルートコンヴェンションのアンサンブル高校生部門(!)に出て、2位に入賞。
・この頃フルートは、当時NHK交響楽団の小出信也先生に習っていました。
高校時代
・高等学校は、公立の福岡中央高校でした。
・高校2年の時、九州高等学校音楽コンクール管弦楽部門でモダンフルートを吹き、全九州で最高位の「グランプリ」をもらいました。
・同じ年に全日本学生音楽コンクール西日本大会、高校生の部で第1位になりました。
・唐津の「隆太窯コンサート」や「福岡18世紀音楽祭」においでになっていた有田正広先生の演奏を聴き、高校3年になった時、バロックフルートに転向しました。
・高校時代、全国のフルート講習会や音楽祭を渡り歩き、内外の有名フルーティストのレッスンを受けまくりましたが、結果的にはそれがどうも私の古楽器への転向を促したようです。
桐朋学園大学時代
・1991年4月に桐朋学園大学古楽器科に入学、バロックフルートを有田先生に師事しました。
・1991年の夏休み、姉とオランダ旅行。ハーグの佐藤豊彦さん、ベルギーの田舎にあるマルセル・ポンセールさんのうちなどに泊めていただき、オランダ留学への夢を膨らませました。
・1993年、オランダ留学を決意して、桐朋学園大学を3年で、中途退学。その年の7月、留学を前にして福岡市の教会で開いたコンサートが、私の最初のリサイタルでした。チェンバロは平井み帆さん、チェロは山廣美芽さんでした。
ハーグ王立音楽院時代
・1993年9月より、デン・ハーグにある王立音楽院に入学、最初1年間ハーゼルゼット先生に習った後、次の年から待望のバルトルド・クイケン先生に習えるようになりました。
・1995年10月には、ル・パルルマン・ドゥ・ミュジークの一員として栃木[蔵の街]音楽祭に出演、今村泰典さん、平尾雅子さんとは福岡のあいれふホールでもコンサートをしました。
・1996年の第10回山梨古楽コンクールのソロ部門で第1位になり、併せて[蔵の街]音楽祭賞を受賞しました。
・この年のブルージュのコンクールで知り合った市瀬礼子さん、小林木綿さん、それに平井み帆さんとで「グラース」というアンサンブルを組み、その後も何度かコンサートをやっています。
・1997年4月に、初めて東京のバリオホールで、リサイタルを開き、全国数カ所で公演しました。共演はパトリック・アイルトン、平尾雅子さん。
・1998年、新設されたハーグ音楽院の大学院に進みました。
・この頃から「バッハ・コレギウム・ジャパン」のメンバーとして、しばしば日本に帰るようになりました。
・1999年のブルージュ国際古楽コンクールの古楽ソロ部門で第2位(フルートでは最高位)になりました。
・桐山建志、市瀬礼子、平井み帆さんらとアンサンブルを組み、活動を始めました。このグループはやっと2002年になって名前が「ラ・フェート・ギャラント(雅なる宴)」と決まりました。
・2000年5月には、ロベール・コーネン、平尾雅子さんとともにリサイタルツァーを行いました。
日本にもどって
・2000年6月にハーグ王立音楽院の大学院を修了し、7年間にわたるオランダの生活に区切りをつけて、8月に日本に帰国しました。
・「ラ・フェート・ギャラント」の初CDを2001年3月にリリースし、4月に販売キャンペーンのため全国ツァーを行いました。
・2002年4月から東京芸術大学非常勤講師になりました。
・2003年7月に初めてのソロCDを発売、それを記念してロベール・コーネン、平尾雅子さんとともにリサイタルツァーを行いました。
・2001年2月より、日本フルート協会の会報に18回にわたって連載してきた「フルートの歴史」が2004年6月で完結いたしました。
・2005年9月に2枚目のソロCDを発売、それを記念してロベール・コーネン氏等とリサイタルを行いました。
・2006年3月、バッハ・コレギウム・ジャパン・アンサンブルの一員としてアメリカツアーに参加。カーネギーホール等6カ所でJ.S.バッハの管弦楽組曲第2番、ブランデンブルグ協奏曲第5番のソロを吹いてニューヨーク・タイムズ等で好評を博しました。
・2006年8月に「ラ・フェート・ギャラント」2nd CDを発売、10月に「グラース」結成からかぞえて10周年記念演奏会を、東京と福岡でしました。
・2006年11月、単行本「フルートの肖像」を東京書籍から出版しました。
・出版を記念してリサイタル・シリーズ「フルートの肖像」をはじめ、その第1回「オトテールの時代」を2007年5月に開催しました。
・2008年頃からルネサンスフルート・コンソート「ソフィオ・アルモニコ(調和の息吹)」を結成して、東京を中心に演奏活動を始めました。
・2009年4月、3rdソロCD「J.M.オトテール組曲集」をリリースするにあたって、自主レーベル「ムジカ・リリカ」を立ち上げました。また5月にはそれを記念してロベール・コーネン、平尾雅子さんとともにリサイタルツァーを行いました。
・2010年4月より上野学園大学非常勤講師になりました。
・2015年10月から上野学園石橋メモリアルホールで、ムジカ・リリカの主催により、寺神戸亮さんや曽根麻矢子さんらと室内楽「古楽21世紀シリーズ」を始めました。
・2016年5月に「ソフィオ・アルモニコ」の1stCDを発売、全国6ヶ所でのツァーを行いました。7月には寺神戸亮さんらと演奏したテレマンのパリ四重奏曲のCDを発売、東京など4ヶ所で演奏しました。
・2016年より沖縄県立芸術大学の非常勤講師になりました。