ラ・フェート・ギャラントとの室内楽演奏会
「ラ・フェート・ギャラント」はブルージュ国際コンクールで知り合った若い演奏家桐山建志(ヴァイオリン)、市瀬礼子(ガンバ)、平井み帆(チェンバロ)の各氏とで結成したフルート四重奏団です。CDも2枚ほど出して、ある時期活発に演奏会を開きました。
■バロックアンサンブル「グラース」リサイタル
1996年10月4日 黒部市国際文化センターコラーレ
共演:小林木綿(ソプラノ)市瀬礼子(ガンバ)平井み帆(チェンバロ)
■ベルサイユ宮の室内楽
1998年8月26日 富山市市民プラザ
8月31日 小国町桜尾山荘
9月2日 福岡市あいれふホール
9月6日 東京都 国分寺いずみホール
共演:市瀬礼子(ガンバ)平井み帆(チェンバロ)
クープラン:王宮のコンセール 第3番/
シャルル・ドレ:ガンバ組曲 第1番 ト長調
ラモー:コンセール 第1番 ハ短調/ブラヴェ:フルートソナタ ニ短調
フォルクレ:組曲 第5番より/ルクレール:トリオソナタ 第8番 ト長調
「ラ・フェート・ギャラント」を結成する前、平井さんや市瀬さんと「グラース(Grace)」という名前で演奏していた時代がありました。富山でしばしば演奏しているのは平井み帆さんの根拠地だからです。市瀬さんの根拠はイギリスでした。
■オリジナル楽器によるバロック室内楽の饗宴
1999年4月20日 富山鹿島町教会
4月22日 東京オペラシティ 近江楽堂
共演:桐山建志(ヴァイオリン)市瀬礼子(ガンバ)平井み帆(チェンバロ)
J.S.バッハ:フルート、ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ
ト長調 BWV1038
A.フォルクレ:ラ・ギニョン、ラ・レオン・サラバンド、ジュピター
J.モレル:トリオによるシャコンヌ
J.J.ヴァルター:ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ト長調
G.Ph,テレマン:パリ四重奏曲 第6番 ホ短調
これははじめてメンバーがそろった演奏会でしたが、まだ「ラ・フェート・ギャラント」という名称は使われていません。1999年のブルージュ国際音楽コンクールで優勝したヴァイオリンの桐山建志さんがこの時からメンバーに加わりました。
■バロック室内楽「雅なる宴(ラ・フェート・ギャラント)」
2000年5月28日 2回公演 東京オペラシティ 近江楽堂
共演:桐山建志(ヴァイオリン)市瀬礼子(ガンバ)平井み帆(チェンバロ)
■ラ・フェート・ギャラント「雅なる宴」Vol.2 CD初リリース記念コンサートツァー
2001年4月7日 富山市市民プラザアンサンブルホール
4月13日 福岡市あいれふホール
4月14日 佐賀・きらら館
4月16日 長野・信州国際音楽ホールこだま
4月18日 東京・日本ルーテル東京教会
共演:桐山建志(ヴァイオリン)市瀬礼子(ガンバ)平井み帆(チェンバロ)
これは1枚目のCDをリリースした時に行われたツアーです。昔のホームページに次のような紹介文が出ています。。
■ラ・フェート・ギャラント「雅なる宴」Vol.3 テレマンで綴るドイツ・バロックの精華
2002年11月12日 山口公演 クリエイティブ・スペース 赤れんが
2002年11月13日 唐津公演 ふれあい会館 りふれ
2002年11月14日 福岡公演 あいれふホール
2002年11月16日 黒部公演 前沢ガーデンハウス
2002年11月17日 東京公演(昼夜2回公演) 東京オペラシティ近江楽堂
共演:桐山建志(ヴァイオリン)市瀬礼子(ガンバ)平井み帆(チェンバロ)
この時は【A】【B】2種類のプログラムで演奏しています。
【プログラムA】テレマン:四重奏協奏曲 第2番 ニ長調/ムファット:パッサカリア ト短調
テレマン:ガンバ・ソナタ ト長調/ヘンデル:フルート・ソナタ
ホ短調 op.1-1a
J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ト短調 BWV1001
C.P.E.バッハ:トリオ・ソナタ ロ短調 wtq.143
【プログラムB】全テレマンプログラム
四重奏協奏曲 第2番 ニ長調/ヴァイオリン、ガンバ、
通奏低音のためのトリオ
ターフェルムジークより フルート・ソナタ ニ長調 パリ4重奏曲
第2番 イ短調
ソロ楽器のためのファンタジア
ガンバニ長調/フルート第2番イ短調/チェンバロ第6番ヘ短調/
ヴァイオリン第6番ホ短調
■レクチャーコンサート「音楽と絵画 」 バロック・・・光と陰のスペクタクル(ラ・フェート・ギャラント公演)
2003年9月26日 東京文化会館小ホール
2005年7月23日 福岡市あいれふホール
出演:前田りり子(ナビゲーターとフルート)原 雅巳(ソプラノ)桐山健志(ヴァイオリン)
平尾雅子(ガンバ)平井み帆(チェンバロ)
■ラ・フェート・ギャラント「雅なる宴」Vol.4
パリの愉悦 18世紀フランスバロックの室内楽
2004年8月7日 東京 近江楽堂 昼夜2回公演
共演;桐山建志(ヴァイオリン)市瀬礼子(ガンバ)平井み帆(チェンバロ) ゲストソプラノ:原 雅巳
ギユマン:4重奏ソナタ イ長調 0p12-4/
ボアモルティエ:フルート、ガンバと通奏低音のためのソナタ
テレマン:パリ4重奏曲 第2番 イ短調/
ルベル:ヴァイオリンソナタ 第6番 ト短調
モンテクレール:カンタータ「ディドンの死」
■セカンドCDリリース記念演奏会 雅なる宴 vol.5
パリの悦楽 18世紀フランスの室内楽
2006年 10月27日 福岡 あいれふホール
2006年 10月29日 昼夜2公演 東京 近江楽堂
共演;桐山建志(ヴァイオリン)市瀬礼子(ガンバ)平井み帆(チェンバロ)
【東京公演プログラム】 テレマン パリ四重奏曲 第5番 イ長調
マレ 組曲集 第3巻より 組曲 ト長調/
ベルニエ カンタータ「コーヒー」
ルベル ヴァイオリン・ソナタ 第4番 ホ短調
ギユマン カルテットによるソナタ あるいは優雅で楽しい会話
第4番 イ長調 作品12の4
L.クープラン 組曲 ト短調より/
モンテクレール カンタータ「ディドンの死」
■ラ・フェート・ギャラント 雅なる宴 vol.6
バロック音楽で綴る クリスマス
2007年12月25日 2回公演 東京オペラシティ「近江楽堂」
共演;桐山建志(ヴァイオリン)市瀬礼子(ガンバ)平井み帆(チェンバロ)
M.コレット クリスマスのシンフォニー 第1番 ニ短調/L.クープラン プレリュード
A.フォルクレ パーシンの鐘/L.クープラン ブランクロッシュ氏のトンボー
M.モンテクレー ル ムーティエの鐘/M.マレ サン・ジェルマン教会の鐘
J.M.ルクレール ヴァイオリンソナタ/M.ブラウン フルート・ソロのための組曲
G.P.テレマン パリ四重奏曲 第6番 ホ短調
この後、イギリスにいる市瀬さんの参加が困難なこともあり、グループは自然解散した感じです。前田りり子について言えば「ソフィオ・アルモニコ」の活動がすでに始まっていました。
グラースのあいれふホールでの演奏会。左から市瀬、平井、前田
ラ・フェート・ギャラント(雅なる宴)プロフィール
「ラ・フェート・ギャラント」は、イギリス・オランダに在住していた新進気鋭の若き古楽器奏者たちを中心に1996年に結成されたアンサンブルである。もともとは、女性メンバーを中心としたアンサンブル「グラース」を母胎とし、1998年にはドイツ在住のヴァイオリニスト桐山が新たに加わった。そして、2000年の5月の東京公演を期に、はじめてこの名前がついた。
「ラ・フェート・ギャラント」の意は、日本風に言えば「雅なる宴」。ヴェルサイユ宮を舞台に日夜繰り広げられていた貴族の優雅な饗宴を描いた、ワトーやブーシェ流のフランスロココ絵画をさす美術用語である。古楽器のもつ軽やかで優雅な音色、こまやかなニュアンスなどを最大限に生かしながらもそれだけに留まらず、奏者間の音による洒脱な会話、そして聞き手を巻き込んでの「雅なる音楽の宴」を描き出すことを目指しての改名である。
このアンサンブルには特定のリーダーはいない。真のアンサンブルは個人の自発性と個性のぶつかり合いの中から生まれてくるというのが、「ラ・フェート・ギャラント」のポリシーだからだ。異文化の中での生活という共有の経験によって結ばれた4名の若い奏者が、活発な意見を交わしながら切磋琢磨し続けるこのアンサンブル。2001年にファースト・アルバムをリリースし好評を得る。2006年8月に待望のセカンド・アルバム「パリの悦楽」をリリースし、10月に記念コンサートを行った。
上 「Vol.3 テレマンで綴るドイツ・バロックの精華」チラシ、下 福岡公演の様子(あいれふホール)
「Vol.5 パリの悦楽 18世紀フランスの室内楽」の様子(福岡あいれふホール)
メンバーのプロフィール
桐山 建志 (バロック・ヴァイオリン)
東京芸術大学を経て同大学院修了。1992年第2回日本室内楽コンクール入選。1995年フランクフルト音楽大学に留学、ラ・スタジオーネ・フランクフルトなどでも活躍。1998年フランクフルト音楽大学卒業、第12回古楽コンクール「山梨」第1位、第10回栃木「蔵の街」音楽祭賞受賞。1999年ブルージュ国際古楽コンクール第1位。現在「オーケストラシンポシオン」コンサートマスター、エルデーディ弦楽四重奏団ヴィオラ奏者、「コンヴェルスム・ムジクム」のメンバーを務めるなど、室内楽を中心に活動中。これまでにヴァイオリンを鳥羽尋子、天満敦子、岡山潔、W.フォルヒェルト、A.レーリヒ、M.ウティガーの各氏に師事。フェリス女学院大学講師。
市瀬 礼子 (ヴィオラ・ダ・ガンバ)
東京都出身。国立音楽大学楽理学科卒業。同大学在学中に、ガンバに出会い、神戸愉樹美、中野哲也の両氏に師事。91年英国王立音楽大学の奨学金を得て渡英、ガンバをリチャード・ブースビーに師事。在学中よりパーセルクアルテット、フレットワーク、ガブリエリコンソート、イングリッシュバロックソロイすと等、イギリスの古楽界を代表するグループと共演し、多くのラジオ、CD録音を行う。またガンバコンソートコンコーディア、アンサンブルフロリレジウム、パサカリアのメンバーとしても、アイルランド、フィンランド、スペインなど数多くの音楽祭にも招かれている。現在ロンドンに在住し、室内楽を中心に活発な演奏、録音活動を行っている。
平井 み帆 (チェンバロ)
富山県出身。桐朋学園大学音楽学部ピアノ科、同大学研究科(チェンバロ専攻)修了。ピアノを川島伸達氏、チェンバロを有田千代子氏、室内楽を有田正広氏らに師事。94年より、オランダ、デン・ハーグ王立音楽院に留学、チェンバロをジャック・オッホ氏、室内楽をクイケン兄弟らに師事。98年からは拠点を日本に移し、各地でコンサート、レコーディング、テレビ、ラジオへの出演等、活発な演奏活動を行っている。第8回富山県新人演奏会最優秀賞、県知事賞、北日本新聞音楽奨励賞を受賞。04年発売のソロCD「アフェッティ・カンタービレ」は高い評価を得た。リコーダーとのデュオによるシリーズ「イタリアバロック音楽の変遷」の企画、演奏もしている。富山市民文化事業団古楽セミナー・チェンバロ講師。
原 雅巳 (ゲスト歌手、ソプラノ)
東京藝術大学音楽学部声楽科卒業。同大学院独唱科修了。93年渡仏、オルレアン・コンセルヴァトワール声楽家課程を一等賞を取得し修了。ジュネーヴ・コンセルヴァトワール(古楽センター)で声楽家課程を最優秀の成績を取得し修了。声楽を嶺貞子、佐竹由美、J・ボナルドーの各氏に師事。バロック歌唱法、およびバロック・ジェスチャーをB・クラモア、解釈をY・ルペランの各氏に師事。97年帰国。以後、フランス・ルネッサンス、バロック音楽を中心に演奏活動を続けている。カンプラ、モンテクレール、クレランボーのソロ・カンタータ、ゲドロン、ボエセ、ランベールなどのエール・ド・クールを多数演奏。日本ヘンデル協会に所属し、バロックジェスチャーの講師を務め、協会主催のオペラ公演の演出、および演技・歌唱指導を行う。これまでに「オレステ物語」「ジュリオ・チェーザレ」「アレッサンドロ」「リナルド」「セルセ」を演出。